証言・主婦53歳ONSさん
■主人がいとおしく思える日
不況・リストラ・意に沿わない転職・厳しい職場・給料の半減・・
主人の表情が次第にけわしくなる。たまの日曜日だというのに
眉間にしわがよったまま。ムッとしていて、どこか近寄りがたい。
二人の会話も途絶えがち。そんな日が続く。
私もいつしか、主人の境遇のつらさを忘れて、「なんやの!?
いつも、むずかしい顔して!」と思ってしまう日が多くなる。
○○○
そんなある日、祈りの会で祈っていた。
「神様、主人のあのむずかしい顔を何とかして下さい」
すると、内側から語りかける声が聞こえてきた。
「あなたはどうですか?主人に笑顔で接しているのですか?」
それはやさしい、穏やかな、いつもの神様の声だった。
その声を聞いたとき、涙が溢れた。
主人の顔を更に難しい顔で拒んでいる自分に気づかされ、
その得手勝手な心の汚れが洗われていったからだ。
神様の御声を聞くと、いつもこのように
自分の罪が清くされていくのが嬉しい。
○○○
主人の職場の人が訪ねてきてくれた。ささやかな、もてなしの宴。
その中、その人が言った。「君は好き嫌いが激しいから、
それがすぐに顔に出るから、人が親しみにくいのや」
ショックだった。家の中だけでなく、職場でもそうだったのか。
もともと、人付き合いには不器用な人だった。
今年、初孫ができた。孫を抱くときの主人のほころんだ顔を
私は知っていた。私も孫はかわいい。
しかし主人は本当に心から喜んでいる。
それがはっきりと分かるほどに、ほころんだ表情を見せていた。
ああ、これがこの人の本当の姿なのではないか。
この人はこんないい顔を持っている。
こんなにほころんで、華やぐ心を持っている。
それなのに、職場の人に対しては表情が険しくなる。
そう言えば、リストラされる前からそうだった。
前の職場も今度の職場も、主人にとって、少しも喜びの職場では
なかったのだと、改めてうすうす知っていたことに気づかされた。
もともと技術畑の人なのに、事情があって、
金融畑を歩くことを強いられてきていた。
どんな思いで、この数十年、生きてきたのだろう・・
私は思った。祈ってあげなければ・・主人の心に平安があるように。
穏やかな心が与えられるように。私が祈ってあげないと
誰が主人のために祈るのか。私が祈ってあげなくては・・
結婚生活30年、改めて主人がいとおしく思えてきた。
そんな自分が嬉しかった。「神様、主人を憐れんで下さい。
主人の心に平安を与えて下さい。安らぎを与えて下さい」
心を込めて祈りました。
○○○
家の中で、主人が次第に穏やかな顔になる。
ある夜、同窓会で撮ってきた写真を見せてくれた。
微笑んでいるではないか。くつろいでいるではないか。
こんな表情は見たことがなかった。心が嬉しかった。
そして神様に向かって、手を合わせた。
「神様、聞いて下さったのですね。ありがとうございます。
あなたは私の神です。主人の救い主でもあります。
それが分かりました。ありがとう御座います」